管理人の家は、少し変わった断熱材で作られています。
木質繊維断熱材って言ったっけ?
私が家造りを家づくりに熱くなっていた2013年頃は、グラスウールとスタイロフォーム等を使った外断熱が主流でした。
そんな状況で採用した、メリットが多くある「木質繊維断熱材」をご紹介します。
管理人宅の断熱方法は?
まず拙宅の断熱方法をご紹介します。
ちょっと分かりづらいですが、窓が凹んで見えるのは外壁に断熱材が貼られているためです。
1.外断熱材
屋根の外側にも同様に木質繊維断熱材が貼られています。
この部分だけで言えば、外断熱ということになります。
建物躯体の外側に断熱材を貼り、建物の外で断熱ラインを作る工法
外壁もこのようになっています。
構造用合板の外に、透湿防水シートを貼りその外側に断熱材を施工しています。
外部からの水分の侵入を防ぐ防水性と、内部からの湿気を通す透湿性を兼ね備えたシート
全部で何枚使われたか分かりませんが、35mmの外壁用の断熱材が家を守ってくれています。
2.充填断熱
屋根の裏側の部分です。
垂木(屋根の斜めの材木)の間に、断熱材がはめこまれています。
無理を言って2枚入れてもらったので、パンパンです
外側に貼ってあるものと比べると、柔らかく厚みがあります。
「内断熱」とも呼ばれる柱の奥行き分のスキマに断熱材を入れる工法
もともと在来工法と言われる木造建築で採用されていることが多い
3.付加断熱
このように外断熱と充填断熱を組み合わせた断熱施工方法を、付加断熱と言います。
外断熱と内断熱ともに断熱上の弱点がありますが、それを補いやすい工法であると思います。
ただコストも含め、付加断熱にもデメリットがあるのでピッタリな断熱を勉強しましょう!
おまけ:床断熱
管理人宅は不思議な基礎をしているので、基礎からの熱も遮らなければなりません。
茶色のものが断熱材です。
その右側に見えるのが、基礎です。
特殊なベタ基礎で、基礎の立ち上がりがないんです。
このままでは冷気が伝わってきてしまうので、コンクリート基礎の上に断熱材を並べてあります。
通常の懐(潜れる部分)がある基礎の場合は、床の裏や根太の間に断熱材が施工されます
似たもので基礎断熱というものがあり、こちらは基礎のコンクリートに直接断熱材を施工します
拙宅の断熱は、この中間的な断熱方法になります
木質繊維断熱材とは?
1.断熱材の種類
通常の住宅建築で使われる断熱材は、この様な種類となります。
- 石・ガラス繊維系
- グラスウールやロックウールと呼ばれる無機質繊維を袋詰めしたもの
- 「耳付き」と呼ばれ、柱にタッカーで打ち付けることで固定できるので施工が容易
- 木質繊維系
- セルロースファイバーなど、機械で断熱層に吹き込むものもある
- 加熱処理して固め、ボード形状としたものもある(拙宅)
- プラスチック系
- 樹脂などの石油系の原料から作る断熱材で、発泡スチロールのようなもの
- 施工性が良く、外断熱でもよく利用される
- 動物系
- 羊毛などを利用(珍しい)
従来より、グラスウールが最もよく使われていました。
その後外断熱が流行り、プラスチック系の断熱材が増えた後、自然環境に配慮したその他の断熱材が浸透してきた感じがします。
2.木質繊維断熱材
拙宅で、実際に使われている断熱材についてです。
断熱の業界では非常に有名な「西方設計 西方里見先生」の解説
環境配慮はとても大事ですが、実際に建てる私達が気になるところを考えてみます。
①:メリット
実際に住んでみて感じたことをまとめました。
- 熱が伝わるのが遅い
- 熱拡散率(熱の広がりやすさ)が低い(グラスウール53に対し、13)
- 特に夏の日射による熱が室内まで伝わる時間を遅らせる
- 透湿性能が高い
- 壁体内の結露を防ぎます
- 防音・吸音性能が高い
- 重量が重いため
- 室内でカラオケをしても、外に聞こえない
②:デメリット
デメリットもありますので、触れます。
- 高い
- 値段の割に、断熱性能は普通(普通のグラスウールより良い程度)
- 日本では価格競争力が低く、国産のウッドファイバーが撤退
- ドイツのシュタイコ、グーテックスの輸入代理店(うちグーテックス側が依頼工務店)が残るのみ
ひとつだけか!
たしかに値段は重要ですが、イニシャルコストだけでなくランニングコストや住みやすさも考慮して決めて欲しいです
まとめ
今回は断熱材の中でもマイノリティーである「木質繊維断熱材」について、紹介してみました。
住宅建築において、間取りや構造に並ぶ重要なポイントが断熱です
目に見えるところではないですが、住みごこちにおいては最も重要と言っても過言ではありません。
今回の記事を見て、「断熱材」にフォーカスした家造りを考えてみて欲しいです!
コメント