家づくりって何から決めれば良いのか?難しいですよね
実は、家づくりで優先する順番を決め、4つのテーマについて考えるだけで簡単に決められるんです。
しかも、あなたの思い描く理想の住まいを手に入れる【ベストな選択】として!
初めての家づくりで五里霧中状態のあなたに、まずは全体的な方向性を決めるコツをお伝えします。
【まめイエ的】優先順位
まず管理人の考える、家づくりの優先順位です。
- 温熱環境 快適に暮らすため
- ランニングコスト 月々ずっとかかるため
- 総費用 ローンで薄まるが人生全体に影響が大きいため
この優先順位にすることを強くオススメします!
1.温熱環境
家づくりで一番優先すべきなのは、家族が健康に過ごすことです。
管理人の小さい頃は、家の中が氷点下になることも珍しくなく、冬の朝は起きるのが辛かったです。
また、室温の差がない家は寿命にも大きく貢献します。
快適に過ごすためには、外皮性能も含めた家の断熱性能を上げる必要があります。
コスト高につながる部分ですが、ぜひ追い求めてください。
2.ランニングコスト
家を建てる時のイニシャルコストには非常にナーバスになるのに、月々必要になるランニングコストには無頓着な方が多いです。
イニシャルコストは高額になりますので、インパクトがありますが実際に月々の支払にすると大きな違いにはなりません。
それより、例えば真夏のエアコンの電気代で1万円高くなる方が大ごとです。
イニシャルコストとのバランスは大事ですが、「1」との兼ね合いもありランニングコストを優先することをオススメします!
3.イニシャルコスト
俗に言う「建築費」です。
最初見た時は、私も目玉が飛び出るかと思いました…。
ちょっと変えたオプションで数十万円が普通に飛んでいく時は、人生でこの瞬間しかないでしょう。
色々見栄えや欲などが金額換算されてしまう部分で、本当に上手く搾り取られます。
後から変えられないものや、ランニングコストやメンテナンスコストで返ってくる部分を見極め、出来る限り総額を抑えるようにしていきましょう!
【補足】
住宅営業が「借りるべき金額」ではなく、「借りられる金額」を基に営業をしてくることがあります。
これは、絶対に断るべきです!
今回提案した優先順位で、イニシャルコストは最後に書きましたが「一番後回し」という意味ではありません。
上位3つの3番目という大変重要なランクにあります。
住宅に関わる費用は、ライフステージの中で大変大きなウェイトを占めます。
最大限財布のひもを締めて、吟味しましょう!
検討する4つのテーマ
優先順位は、決まりましたか?
優先順位は完全に上に書いた通り決まっていなくても、大丈夫です。
温熱環境をコストだけで見ずに優先して欲しい
というのが、管理人の想いです。
その想いを受け取っていただき、いよいよ4つのテーマについて考えてみましょう!
①:区切られた家にするか、しないか?
これは、管理人の家の1階の図面です。
トイレと脱衣室以外には、ドアがありません。(SICと和室の戸は、開けっぱなしの飾りです)
玄関と廊下とLDKと和室に加え、2階の廊下とロフト全てが、吹き抜けで空間的に繋がっています。
(2階もトイレと各個室以外は、1階とすべて繋がっています)
これは管理人がこんな家を建てたいという「夢」が大きく関係しています。
同じ様に「吹抜けを作りたい」とか「家じゅう同じ温度の全館空調がしたい」とか、憧れがある方はぜひ検討してみてください。
実際に生活してみての感想は
【メリット】
- リビングから大きな声で呼べば、どこにいても聞こえる
- ドアを開ける手間が無く、快適(犬的にも)
- 開放的
【デメリット】
- どこの音も聞こえる
- 料理の臭いが上階に行く
- 犬がどこでも付いてくる
特にデメリットが耐えられない人は、この様な間取りにすべきでありません。
絶対に後悔します。
拙宅で気になったことはありませんが、断熱性能を上げないと「足元が寒くなる」と不満をもらす方もいます。
次に述べる断熱性能を上げることとセットで、取り入れるものだと考えてください。
②:断熱性能を上げるか、上げないか?
区切られた間取りとしたい人も当然気にすべきですが、
拙宅のようなオープンの間取りを求める人は、特に「断熱」に予算を配分して下さい
間仕切りのない家となると、気積はかなり大きくなります。
そしてその一つの空間の中に、寒い玄関や廊下、一番暖かくしたいリビング、水蒸気を発生させるキッチンが存在することになります。
断熱が弱い家だと、LDKで暖められ水蒸気を含んだ空気が、室温の低い玄関や北側の廊下や洗面にいくことで結露が生じる可能性が出ます。
さらに吹抜けを作ったり天井の高い空間を作ると、温めた空気は床にとどまらず上に向かいます。
これが足元が冷えると訴える方がいる理由です。
大空間を作りたい人は家全体の外皮性能を高めるため、出来れば外断熱を併用した「熱橋」を作り辛い工法を選んで下さい。
熱橋:外壁と内壁の間にある間柱や梁の部分に断熱材が入らないことから、外の熱を内部に伝える橋になってしまうこと
オープンではない間取りを選んだ方も、重視すべき項目があります。
断熱性能の中心は壁ではなく、「窓」です。
壁は放っておいてもある程度の断熱はできますが、窓はそうはいきません。
現在は真空トリプルや樹脂サッシ、色々高性能な物が日本でも出てきています。
low-Eはなくてもなんとかなりますが、窓の断熱性能は最重要です。
家の中の熱を逃がさないことと、窓から冷気を入れないことで結露を予防する大事な役割があります。
断熱性能を上げるなら、窓を小さくすれば良いと聞いたけど?
窓を小さくすることは、デメリットが多いです。
特にサッシ部の断熱性能を重視し、小さい窓にするのではなく窓にお金を掛けて大きくしましょう!
夏の室内と外気温の温度差は10℃程度ですが、冬は20℃を超えます。
絶対に、冬向きの断熱を優先して下さい。
③:依頼先をどこにするか?
ここまで来ると、概ね依頼先の目星がついてきます。
Aさん | Bさん | Cさん | Dさん | |
①大空間を作るか? | YES | YES | No | No |
②断熱性能を上げるか? | YES | No | YES | No |
③依頼先 | 断熱・気密は大得意 | オススメできません | 断熱・気密は得意 | ローコストなどコスパが良い |
断熱を高めたいのに、断熱を軽視した会社さんでは建てられませんし、逆に断熱性はほどほどで良いと思っているのに、通常高いコストとなる断熱に特化した会社さんを選ぶ意味もありません。
断熱を重視すると、確実にコストが上がります。
ランニングコストは下がりますが、イニシャルの元が取れるとは言えません。
ですが、快適な温熱環境を欲するのであれば、コスト高であっても断熱や気密に明るい依頼先にしましょう!
Aさんか、Cさんの選択がオススメです
希望する断熱性能を得られることが分かった候補の中から、構造やデザインなどの項目から依頼先を絞っていければベストです。
「断熱はダメだけど、デザインで決めた」
なんて、正気の沙汰とは思えません。
構造については、最低限の約束事は守られる様になってきました。
ですが、両輪である外皮性能はまだまだ未熟な業界です。
家は家族が着る服であり、家族を外界から守る砦です。
毎日健康に朝を迎え活動的でいられるかは外皮性能次第であり、快適な温熱環境は体験した人にしか分からないプライスレスな価値があります。
デザインを軽視するべきと言っている訳ではなく、「家の基本性能である外皮性能は前提条件なので、それを満たした上でデザインを求めるべき」だと私は思います。
【補足】
構造的に大空間を作れる工法は限られてきます。工法が限られると依頼先も限られます。
リビングの南面に柱の無い大開口を設けたり、室内に柱を作りたくないといった希望がある場合は注意してください。
※ RC造やSE工法、ビックフレーム工法など、一般的な在来工法と異なるため
④:予算はいくらにするか?
これで、建てたい家の大枠の考え方が決まりました!
独立性を重視した個室の間取りとするか、開放性を重視したオープンな間取りとするかは決まっていますし、断熱性能から依頼先の目星もついています。
これで建てたい間取りで予算が収まっていれば、なにも問題ありません。
予算が収まっていない場合は、減築も含めたコスト調整をしましょう
上手くいけば1つのスペースに複数の役割を持たせることで、床面積を減らすことが可能です。
そのスペース 何役担ってますか?
間取りの工夫があれば少し小さい家にしても満足度は高いと思いますので、家の性能を重視した家作りをして欲しいと思っています。
床面積を減らすほかに、大きくコストカットできる可能性があるものは
- キッチン・バックセット 面材を変えるだけで
- お風呂・洗面 シリーズラインを変えてみよう
- 造作 本当に作り付けである必要はあるか
- 外形の単純化 入隅出隅を減らし下屋も作らない
- バルコニー縮小 室内干しの方がトレンド
- 外構 あとからDIYでも良いんじゃない?
などがあります。
後から上げるのが難しい家の性能にお金をかけ、後からでも交換できるものは優先順位を下げるのもありだと思います。
一般的に言われるテーマとは違うかもしれませんが、管理人が自信をもっておススメします。
まとめ
しっかりと優先順位と、決めるべきことを順序立てていかないと家づくりは迷宮入りします。
依頼先の担当者が、うまく顧客目線で導いてくれるという想像は幻想です
まず自分で考えられるだけ考え、悩んでからでないと良い依頼先は見付かりません。
何も考えないで住宅展示場に行くと、屋根の上に乗っている人形の良し悪しで依頼先が決まってしまいますよ!
ぜひご自分だけでなく、ご家族とも話し合って一度オススメの流れで検討してみてください。
そこから自分たちに合った優先順位やテーマが出てくると思います。
辛く苦しい時間かもしれませんが、終わってからではやれないことです。
楽しんでやりきりましょう
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