まめイエ知識

欠陥住宅はなぜ生まれるのか?【まめイエ的視点】

トシ
トシ
なぜ、令和の時代になっても欠陥住宅は生まれてしまうのでしょうか?

家づくりで一番イヤな話題は、欠陥住宅だと思います。

誰しもが真剣に取り組んだ結果、なぜか生まれてしまう欠陥住宅。
少しでも生まれなくなるよう、まめイエとして提言したいと思います。

では、さっそく欠陥住宅のない未来へ向かって進みましょう!

欠陥住宅とは?

管理人が思う欠陥住宅は、2種類あり

  • 【構造的】欠陥住宅
  • 【オーダー的】欠陥住宅

に分けられると思っています。

それぞれ見てみましょう!

【構造的】欠陥住宅とは?

構造的欠陥住宅は、名前通り建築基準法における構造的な欠陥がある住宅です
広義のものを含めると、旧公庫の施工基準を満たさないものも含まれるかもしれません

断熱材の施工、防水の仕舞い、構造面材の釘ピッチ、ホールダウン金物の数などあると思いますが、ダントツに多いのは基礎の施工です。

基礎屋さんの範疇の業務ですが、地業、型枠、配筋、打設と重要な作業のオンパレード
そして間違いがおきた場合、基本的にやり直しはできません。

管理人の家でも、この基礎の欠陥が起きました。

基礎屋さんだけで完璧にやれる訳はないので、現場代人による施工監理(ダブルチェック)が必須です。

が…これが出来ていない。
特にローコストで家を建てたい方にはイヤな言い方と感じるかもしれませんが、

  • 発注金額と基礎屋さんのレベルは、ある程度比例し
  • また発注金額により、現場代人(現場監督)の現場訪問回数も上下すると思っています

もちろん高い金額を払ったら大丈夫とは言い切れません、また基礎は工場で作って持ってくるという訳にもいきません。
だから大手に依頼しても、基礎の欠陥は起こり得ます。


(画像はお借りしました)

ただ、ある意味一番金銭的にも人的にもコストをかけるべき基礎は、施主の興味が薄いところ。
ケチろうと思えば、やりやすい。

窓や断熱材などの見かけ上の性能を上げ、「材料は大手以上」と施主にアピールし、しっかり手間をかけるべき基礎のコストを省かれる。
私は友人などに家づくりの質問を受けると必ず、「家づくりのコストはどこも大して変わらない。すごく安いと思うなら、気を付けなきゃダメだよ」と言います。
よく「CMをやらない分お客様に安く提供できる」なんて言ってる工務店がありますが、そんなの誤差の様なものです。
売り上げ規模が大きいからCMが出来るのであって、小さな工務店はCMできないんです。

こんなコストカットからくる欠陥が生じ易いのが、誤解を恐れず言えば【建築条件付土地売買】のお宅です。

・建築条件付土地売買の土地

【建築条件付土地売買】は、土地売買契約を結ぶ際に買主が、通常売主となっている不動産業者のグループ会社の建築会社と一定期間内に建築請負契約を結ぶことを条件に土地の売買をする契約です。

そして問題は、基本的に市価より安い土地値で情報が出されます。

不動産は海千山千のプロが蠢く世界で、素人のあなたに掘り出し物なんか見付けられるものではありません。

でも、目の前には例えば同様の条件より数百万安い土地として、検索画面に掲載されています!

あなた:「掘り出し物だ」と問い合わせします
業 者:「お目が高い」「人気の土地ですぐ売れてしまいます」と煽ります
あなた:焦って、土地の売買契約をします

業 者:ラフ図面を作成し、「後でいくらでも変更できます」と言って請負契約を迫ります
あなた:判断がつかず渋ります
業 者:
「では、土地売買は解除ですね。数百万円の手付金は戻せません」脅かします

あなた:お金を失う恐怖に負け、請負契約を内容についてなんの取り決めもしない「一式契約」で結びます

業 者:本来土地と建物の請負で儲けるはずだった金額を、あなたとの建物請負契約から吸い上げます
ちょっとオーバーに書きましたが、こういうことです。

最後の行で、安く土地を出している意味が分かったと思います。

安い土地値でカモをおびき寄せ、土地売買で縛り、ザル契約で利益を回収し、安い下請けで更に利益を増やすのです!
もちろん建築条件付きでも、まともな業者さんはおります。
でもまともかどうかなど、個人には見分けは付きません。

そして契約で縛られ、逃げられなくなってしまったらどんなものが提供されても、基本的に泣き寝入りです。
請負契約は基本的に民法で定められているのですが、ここに問題があるからです。

第635条
仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りでない。

よく欠陥住宅について、車だったら家具だったらと同じ様に言われますが条文がまったく違います。
そもそも民法によって、建物請負契約ではあなたが契約の目的を達することができなくても、解除できないのです。
※ 現在成立している改正民法で、悪名高いこの規定は削除され、施行後は解除ができることになりました

改正民法で多少は救われる人が増えるとは思いますが、結局のところ修補請求がメインとなることは変わらないのでは?と思っています。
何より欠陥が起きてしまってからでは、それをリカバリーすることは難しいのです。

・構造的欠陥住宅を避けるには?

結局のところ、【構造的】欠陥住宅を避けるには

  • 業者が適正な利益を得られる契約をする(安さのみを求めない)
  • 適正な利益に基づき、現場が管理され、下請けも適正な利益を得られる
  • 焦らされず打ち合わせを重ねた上で、請負契約をする
  • 第三者審査を出来る限り活用する
  • 注文者も現場を見て、邪魔にならない程度におかしい場所がないか確認する
  • 不明なところなどは自分で調べ、おかしいと思ったら現場監督に問い合わせる(職人に聞くのではなく)

など、依頼者側の注意点があります。

一番危険なのが【建築条件付土地売買】ですが、ローコストでの家づくりも油断できません。
請負契約後の打ち合わせ回数を制限されたり、キャンペーンや決算などの言葉で契約を急かす事例はたくさんあります。

もちろん安く請け負ったって、欠陥住宅を引き渡して良いはずがありません。

でも、例えば「このハンバーガーが毎日10円です]」と言われて、あなたは食べるでしょうか?
私は食べたくありません…。

管理人としては、もう一度、基本に立ち返り皆さんに考えて欲しい!

・ 適正な利益がなければ、適正な家づくりはできない
・ 良い材料だけを使っても、良い家づくりとは繋がらない
・ 監理や営業、下請けの職人など、人にしっかりと費用が掛けられていない家づくりは失敗する可能性が高い

依頼先を選定する際、窓の種類や断熱材に着目される流れになってきたことは良いことだと思っています。
ただ構造材をケチり、屋根をケチり、見えないところのコストを削りやってきた業界です。

今は人にかかる部分を如何に削るかと躍起になっている気がします。
正しいヒアリング、設計、施工、監理、アフター、いずれも人が必要です

依頼先を選定する際、

 なぜこの値段なんだろう
 この金額で現場監理は、家ができるまで何回来てくれるのかな
 基礎にはいくら位のお金がかかるんだろう、駐車場のコンクリートだけでこんなにかかるのに
 職人さんは何人×何日家づくりに関わってくれるんだろう

なぜこの値段なんだろう
この金額で現場監理はできるのだろうか
基礎にはいくら位の値段がかかるんだろう、駐車場の外構だってこんなにかかるのに
職人さんは何人×何日家づくりに関わってくれるんだろう

という観点も持って欲しいと思います。
家づくりは高い費用がかかるので、少しでも安い方が良い。

ただ「これは適正な価格なのだろうか??と一歩立ち止まる気持ちがあると良いと思います!

【オーダー的欠陥住宅】とは?

先に言いますと、オーダー的欠陥住宅という言葉はないです…。
管理人が、作った言葉です。

意味は、こんな感じです
・構造的欠陥住宅ではない
・当然、違法建築物でもない
・施主の想いが反映されなかった住宅を指す

注文住宅とは、【施主の夢を叶える住宅】だと思います。

建売を買われる方は、目の前にある住宅の条件を見て購入を決めれば良いです。
一方、注文住宅は目の前にはありません。

そこで、「施主の想いを具現化していく作業」が必要となります。

ここで【構造的】欠陥住宅の話に通じますが、【人】の問題が生じます。

人とは
1.HM等の営業担当者
2.確認申請図、施工図を作成する設計者
3.施工者
4.施主
でざっくりと4者います。

それぞれ、見ていきましょう!

①:欠陥住宅の原因になる人たち

4.施主

一番大事な施主から始めましょう。

どういう注文住宅を建てたいか、知っているのは施主のみです。

それはそうですよね。
施主の頭の中、心の中に理想の注文住宅が眠っています

施主の最大の役割は
あなたの中にある夢の注文住宅を、あなた以外の人に示すことです。

あなた以外には伴侶など家族も含まれます。(便宜上、施主グループと呼びます)

そもそも施主グループの希望が一致していないケースがとても多いです
また、家づくりの過程で険悪なる夫婦もとても多いです。

なぜなら注文住宅に持つ夢・憧れは、ひとによって(ご夫婦でも)違うからです。
まずはこれを徹底的に議論・共有し、あなただけでなく、施主グループの理想の注文住宅に昇華させましょう!
そしてそれを、営業担当者に伝えるのです。

言葉ではなく、写真やスケッチで!

(妻の書いてくれたイメージ)

これは言う程簡単な作業ではありません。
時間も手間もかかります。

ただこの労力を惜しみ、営業担当者に全て白紙委任状を出してしまう方が多過ぎます。

営業担当者を前線に置いたHM等は、プロです。
あなたのお金を使い、家を建て儲けるプロです。

そこに丸腰で素人がお腹を見せ、「よい住宅を建てて欲しい」とおねだりする様では理想の家は建ちません。

意地悪な言い方をすれば、【HMにとって理想的な家】が建ってしまいます

    • 打ち合わせ回数が少なく
    • 面倒な納めがなく
    • 手間のかかる工事は少なく
    • 工期は自由で
    • 追加料金はなるべく多く貰え
    • 利益が多い

こんな感じで…。

それとも、完璧な営業さんが助けてくれるでしょうか

夫婦で何も決まっていなくても、辛抱強く何度も打ち合わせを重ねてくれ、契約を急かすこともなく
夫婦の内心にある理想を叶えた素敵な注文住宅を建てる伝説的な営業さん…

そんなに多くないと思います。
営業さんにはノルマもありますからね。

1.HM等の営業担当者

残念ながら、【オーダー的欠陥住宅】が生まれる要因としては、最上位でしょう。
理由はいくつかあると思いますが、一番多いのは経験不足です。

住宅営業は極端に言うと、ベテランと新人しかいません。
住宅営業はノルマと歩合の世界なので、同じ会社に長く留まることの出来る人が少ないです。
必然的に長くやる人はベテランとなり、店長などになるか、紹介のサークルの中だけで仕事をし皆さんの前には現れません。

一方新人は、自分で家を建てたこともなければ、施工の細かい納まりも知らず、下手をすると勉強した施主の方が知識量があるレベルです。

ただHMにとっては、この営業が全ての窓口になっており、施主の要望、クレームを吸い上げる必要があり、図面化、施工管理の本となる情報も営業から伝えられます。

    • 打ち合わせで言っておいたのに、施主検査で違う仕上がりになっていた
    • 瓦の色をメモ取っていたと思ったのに、施工図が異なっており変えて欲しいといったが間に合わないと言われた
    • 打ち合わせで大丈夫と言われていたニッチが、現場で作れないと言われた
    • 追加料金が決まらないまま工事が進み、竣工間近になって払えない額の追加工事費が請求された

注文住宅を建てた方なら、上記の様なことを経験されたのではないでしょうか。

住宅建築も分業が進んでいます。
・確認申請図、施工図を作成する設計者基本的には建築確認申請を通す図面を書くだけ
・施工者渡された図面に基づき、作業をするだけ(※)
※ 本当は確認申請図から施工図にする際の大変さや、施工図に表れない仕舞を考えたりとご苦労がありますが、省略します

つまり、営業担当の書いた図面や、そこで打ち合わせした内容を基に全ての作業が流れていきますので、前回書いた営業担当への要望の伝え方や、伝えた内容が理解されているかを早く確認しないと取り返しのつかないことになります。

②:オーダー的欠陥住宅を避けるには

施主検査に訪れた日に、自分の想いが反映されていない、引き渡しを受けたくない我が家を見ること

これが、管理人の考える【オーダー的欠陥住宅】です

本来は営業さんをはじめ、社内チェックで「施主の希望が満足できているか」少しでも怪しいところがあれば再度施主に確認しダブルチェック、トリプルチェックを行うべきです。
ただ現実はあまりに作業量が多く、分業化されている為これらの多くが制度としてあっても機能していません。

建てることはできても、施主の想いを具現化するには未熟な業界だと思います。

そこでポイントは、やはり書面での記録の残し方、施主サイドでのチェックの仕方になると思います。

・契約前に、出来る限り間取りや仕様決めをし、契約書に全てを記載すること

おかしな話ですが、契約後に担当していた営業が辞めるなど普通に起きます。
口約束など以ての外、打ち合わせ時にしていたメモだけでは言った言わないになってしまいます。

壁紙の番号まで記載する必要はありませんが、事前に契約書類を渡して貰いしっかりチェックした上で必要なものを加筆して貰いましょう。

・施工図面は着工前にしっかりチェック、第三者にもチェックしてもらう

わざと施工ミスする職人さんはいないと思っています。

図面が間違っていて、変更が反映されていなくて、大半のミスは起きます。
慣れない図面ですが、時間を取ってしっかりと確認し、必要に応じ第三者にチェックを受けましょう。

ここでもあなたが思っている出来上がりが伝えられなくては、意味がありません。
R壁のイメージや、吹き抜けの立ち上がり
写真やスケッチで自分のイメージを伝え、現場に伝える図面に追記して貰いましょう。

・なんでも現場合わせにしない

【オーダー的欠陥住宅】の多くは、現場合わせで起きます。
現場合わせとは、つまり「打ち合わせの場で決めない」ということ
現場には図面の中に小さな文字で、「現場打ち合わせ」等と書かれているだけです。

これが守られない。
工期や手配の問題で、往々にして勝手に作られます。

造作のサイズなどが多いですが、例えば造作TV棚の場合なら

打ち合わせの場でサイズが分からなくても、後でサイズを調べ、既製品のサイズを参考に「このサイズで」と伝えて下さい。

またスケッチなども加え出来る限りイメージを伝えて下さい、そうすればミスの可能性を減らすことができます。

(マイホームデザイナーでの計画時)

(WEB検討会で HMに契約後に出して貰った承認図)

(着工後にイメージを伝え、HMに作って貰った配線図)

(出来上がり)

オーダー的欠陥住宅は、それぞれのプレイヤーがやるべきことを尽くせば生まれないものだと思います。
でも、施主が自分の希望を伝える努力を怠り、営業担当者がヒアリングで引き出す工夫をしなければ簡単に生まれてしまいます。

相手に期待するより、自分で努力する方が確実です。
ぜひ、営業担当者にご自身の希望をうまく伝える努力をしましょう!

まとめ

ここまで書いて、建築当時の大変だった記憶が蘇りました。
本当に寝る間を惜しんで、住宅建築に没頭した毎日でした。

子育て世代の方も多く、皆さんとてもお忙しい中で、家づくりに取り組みます。

「こんなことまでやってられないよ!と、お怒りの方もいるでしょう。
でも、欠陥住宅が目の前に出来てしまった場合、労力はこの数十倍、数百倍かかります。

何か起きてから勉強しても、遅いです。
家づくりを始める時は、ゆっくりと時間をかけ様々な家を見て、本を読んだりブログで勉強しましょう。
勉強している間に貯金も増えますので、時間がある時は自分で間取りを書いてみるくらいに家づくりに没頭してみてください。

人生でしっかりと準備して臨むべきものの「最上位」が、住宅普請だと管理人は考えます。
みなさんが、一生にそうない機会を「大変だったけど、楽しかったなぁ」と思える家づくりにしてくれることを願っています。

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